江戸時代・17世紀末

長径24.2cm　高6.7cm

売約済み

金襴の如き華やかな絵付けが施されたこの器は、型物金襴手と呼ばれ、中国明時代の嘉晴金襴手にならい、江戸時代・元禄期頃の肥前有田にて製作された。見込には、二羽の鳳凰が優雅に舞う姿を表現し、周囲に配した木瓜形の四ツ窓の中に唐花文を大胆に描いている。器形は型打ち成形で十二角の平鉢が作られ、鍔状の縁を有する。古伊万里金襴手作品は、当時の日本国内における豪商や豪農といった特権階級の高級食器として作られたのだが、これと同手の作品が、ドイツ・アウグスト強王のコレクションに含まれていることからも、古伊万里金襴手の一部が選別され、当時海を渡ったと思われる。器の裏側には、丸花文と杜若のような花を交互に配し、高台内には、大明萬暦年製の銘を記す。江戸時代・元禄期の絢爛豪華な器として珍重され、現在に至るまで保存状態も良く、一対で伝世しているのは希少といえる。