鍋島色絵瓔珞文猪口
江戸時代・17世紀末~18世紀初
径 8.2cm 高 5.8cm
売約済み
この猪口に描かれた瓔珞文様は、鍋島藩窯が唐花文を用いて瓔珞風に意匠化した文様である。瓔珞とは、古代インドの高貴な人の珠玉や貴金属を編んだ装身具であり、吉祥文様として仏像などの装飾にも用いられた。器の側面には、精緻に描かれた瓔珞文が連なり、小品ながらも気品に満ちた鍋島の逸品である。口部へと斜めに立ち上がるそば猪口に似た器形は、料理を盛り付ける向付として作られたと思われる。外側の華やかさに変わり、内側は白無地で、高台脇には染付を用いて二重圏線を巡らす。高台内部は浅く平らに削り込まれている。器形や文様共に格調高い鍋島作品である。