鍋島色絵鶏頭文五寸皿 五客
江戸時代・17世紀末
径15cm 高4.3cm
商品について問い合わせ江戸時代・元禄期に、最盛期を迎える鍋島藩窯にて製作されたこの五寸皿は、五客揃いで伝世しており非常に貴重であるといえる。器の縁を沿うように、三つの鶏頭の花と雌日芝が描かれている。鶏頭の花は、中国では鶏冠花とも言われ、立身出世を意味する吉祥の花であり、また日本では古来より万葉集の中でも詠まれた秋の花の一つである。鶏頭のふわふわとした質感を表現するため、薄い朱赤で花を塗り埋め、そこに点描を施している。葉の色を表現した緑と黄の淡い発色と、雌日芝の繊細な筆致と染付の美しさ、見込中央に描いた鶏頭の花を彩る朱赤の色とが見事に相まうこの構図は、鍋島らしい気品ただよう作調であり、優品としてふさわしい。器の裏には、花唐草文を三方に配し、高台には櫛目文を描いている。