鍋島青磁鯱耳花瓶
江戸時代・17世紀末~18世紀初
径14.2cm 高28.6cm
売約済み
江戸時代元禄期から享保期にかけて、鍋島藩が中国南宋時代の龍泉窯砧青磁に倣い製作した青磁花瓶の優品である。
この花瓶は、皿や向付のような食の器とは違い、床の間に飾られる、お茶道具の為の花瓶として作られた格調高い作品といえる。
造形は、丸みを帯びたふくよかな胴部から、上へと引き締まる頚部に鯱形の双耳を持つ。
花瓶の口は、八角の面取形になっており、そこから延びる八本の筋に青磁の濃淡の美しさを見ることが出来る。
青磁釉の発色は、鍋島らしい上品な深みある緑色が優美で、日本の青磁の最高峰といえるだろう。
花瓶裏側の高台畳付は露胎であり、土見せはやや赤色を呈している。
造形美、釉調など献上品としてふさわしい、気品あふれる逸品である。