初期鍋島薄瑠璃唐花文変形小皿
江戸時代・17世紀
縦13.8cm 横16.2cm 高3.3cm
売約済み
将軍家への献上品を製作するべく、鍋島藩が大川内山へ藩窯を移転した頃の作品であり、初期鍋島と呼ばれている数少ない貴重な変形皿である。四方に楕円の窓を残し、薄瑠璃釉を器表面に掛けている。窓絵の境界、唐花や唐草の輪郭線を赤で描くのは、初期の鍋島作品によく見られる意匠である。この器の表面に掛けられた薄瑠璃釉の美しさは、鍋島の持つ気品や優雅さを巧みに表現している。唐花や唐草に施された色絵も華美になり過ぎない絶妙な色彩感覚といえよう。器の裏側には力強い筆致で唐花唐草文を四方に配し、高台には鋸歯文を描いている。表面に掛かる薄瑠璃釉が、裏側にも一部掛けられている所もまた躍動感があり良い。この作品は初期鍋島という性質上、伝世品も少なく貴重であり、意匠は力強さと古格のあるコレクター至極の一品といえる。