江戸時代・17世紀末
径20.1cm 高5.8cm
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細かく描かれた唐花文様が、器に映える盛期鍋島の七寸皿。
周囲の五か所に染付を用いて唐花文を丁寧に描き、見込には余白を残している。美しさだけではなく、鍋島らしい高潔さをも併せもつ優品である。
裏には、六つ玉の七宝文様を三方に配し、高台には櫛歯文を描く。
永竹 威 鑑定書 付
江戸時代・17世紀末
径 19.7cm 高 5.5cm
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しなやかな笹竹の細い穂が風に揺れる情景を意匠化した、盛期鍋島を代表する作品の一つ。 青磁を用いて背景を二色に塗り分け、白磁の余白と笹竹の意匠が、左から右へと見込みに向かって流れる構図は、画面に動きを与えている。大胆に配された笹竹の葉に描かれた葉脈は、筆の繋ぎ目がわからないほど繊細な筆致で線描きされている。また笹葉に施された薄いダミ染めと、笹を囲む青磁との調和も見事であり、鍋島藩窯における技術と格調の高さが伺える逸品である。 裏面には、三つの木蓮折枝文様を描き、やや短めの櫛歯文を高台にめぐらせている。
江戸時代・17世紀末
径 21cm 高 6cm
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鍋島ならではの独創性により生まれたこの構図は、数ある鍋島作品の中でも、これほど奇抜なものは他に無いだろう。 菊花と七宝文をモチーフとした唐花丸文様を器全面に五個配している。その一つからは、太陽の日差しを表現するかのように、縁へと広がる放射状の線が墨弾きを用いて巧みに描かれ、またその余白を埋める紗綾形文様も美しい。 裏文様は、木蓮の折枝文を三方に配し、高台は櫛歯文を描く。 染付の濃淡を用いて、流麗な筆致で斬新な意匠を表現した盛期鍋島の優品であるといえよう。
江戸時代・17世紀末
径 20.5cm 高 5.7cm
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器に見事な構図で藤棚を描き、美しく花を咲かせた藤花を絶妙なバランスで配した色鍋島の七寸皿。藤棚に沿って絡み付く蔓が藤の力強い生命力をあらわす一方、赤い極細の線で縁取られた可憐な藤花は、このうえなく優美である。洗練された見事な仕上りを見せる藤棚文様の七寸皿は、鍋島藩窯ならではの気品漂う優品の一つといえよう。裏側は、三方に唐花文様を配し、高台には櫛目文を描く。
江戸時代・17世紀末〜18世紀初
径 10cm 高 7cm
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細く締まった高台からやや緩やかな直線で口へと広がる大振りで堂々とした盛期鍋島の大猪口。四つの大きな唐花文様が発色の良い緑や赤で大胆に描かれ、それらを染付線で繋いでいる。薄緑の絵具を多く使う事で構図全体が清涼感に包まれ、唐花の赤がひときわ鮮やかに映える鍋島らしい意匠である。高台脇に染付にて二重圏線を廻らせ、畳付は細く繊細に作られている。鍋島焼の持つ卓越した技術力により作られた造形美と、高い芸術性から生まれる洗練された意匠を併せ持つこの大猪口は、盛期鍋島らしい気品溢れる逸品である。
江戸時代・17世紀末〜18世紀初
径 15cm 高 4.5cm
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数ある盛期鍋島五寸皿の中でも、この文様は特に人気があり、多くの展覧会や図録などでも紹介されている作品である。この構図は毘沙門天の甲冑文様に由来し、亀甲形に編まれた籠目文様の中に桐文様を緑や染付で描く。その余白を黄色や薄濃みを用いて塗り埋め、細い線描きの赤で籠目を細密に描き込むなど、意匠や色彩感覚の優れた名品である。裏文様には、四つ玉の七宝文様を三方に配し、高台は櫛歯文を描く。
江戸時代・17世紀末〜18世紀初
径 15cm 高 4cm
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鍋島青磁の気品と鍋島色絵の華やかさが融合する盛期鍋島の作品。五弁の稜花形の器形に、白抜きした白磁の窓を五方に配する。青磁釉に合う色絵の緑を窓枠に描く事で白磁の窓が際立ち、その中に様々な宝文様が繊細な筆致で描かれている。器中央にある余白の大きさが、宝尽しの細やかな文様を際立たせている素晴らしい構図の盛期鍋島作品である。
江戸時代・17世紀末〜18世紀初
径 20.5cm 高 5.5cm
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鍋島青磁染付七寸皿の中でもこの作品は、盛期鍋島の魅力を遺憾なく表現した作品であるといえる。圏線により区画された帯状の中に、墨弾き技法を用いて描かれた青海波文が映える。豊穣や子孫繁栄の象徴である折枝柘榴文を絶妙な配置に描き、点描やぼかしの技術を巧みに使うことで、柘榴の丸みが立体的に表現されている。また鍔縁に施した青磁釉により、器全体が引き締まり、器面の文様が際立つ。裏面には、一度輪郭線を描いた中を丁寧に塗り埋めた、六つ玉七宝文を三方に配し、高台には櫛歯文を描いている。高台脇には、金具を添えたであろう固定する為の穴が空いているが、一度海外に渡って奇跡的に状態良く日本へ里帰りした作品であると思われる。青磁や染付の発色、器形や意匠など、どれを観ても盛期鍋島の優品であるといえる。
「鍋島」藩窯から現代まで 神奈川県立博物館 1987年 出展作品
「鍋島展」世界・炎の博覧会 1996年 出展作品
「鍋島」細見美術館 2014年 出展作品
江戸時代・17世紀末
径 15cm 高 4.5cm
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異国より伝わる唐花文様を鍋島藩窯が装飾化した気品溢れる八角小皿である。霊芝風の唐花文を精緻に連ねて描き、淡い緑と黄色の色彩が美しく調和する。また花弁を塗り埋める濃い赤が、意匠に華やかさを添え、器の見込を白抜きにすることで、色彩豊かな唐花文様を引き立てている。口部を端反りにした八角の器形は端正に作られ、厳しい造形が美しい。裏面は高台に櫛歯文を配し、側面には花唐草を全面に描いている。盛期作品早期の力強さが残る優品である。
江戸時代・17世紀末
径 20.2cm 高 5.7cm
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川面の筏に桜が舞う風景を見事に意匠化した、春の清々しさが溢れる鍋島藩窯最盛期の作品である。鍋島の文様には桜が多く描かれているが、この花筏文は七寸皿だけでなく尺皿にも用いられた有名な構図である。またこの作品は、染付の濃淡を用いて描く「だみ筆」の技法が見事であり、水の流れと水面に浮かぶ筏に遠近感を持たせ、巧みに表現している。器面上部の余白に桜の赤や、葉の色彩が鮮やかに映える優品である。裏面は花唐草を三方に配し、高台には櫛歯文を描いている。